そこから先なんですよ本当は [雑感]
小学生の頃、飛び箱が得意だった。
それこそ、もう、自分は何段でも飛べちゃうんじゃないかってくらいに。
あれは、何段だったんだろう?
体育館にズラーっと並べられた飛び箱。
左から順に、2段、3段、4段・・・という風に右に行くほど高く積み上げられた飛び箱。
各自、飛べる所で飛んでくださいみたいな趣旨だったような。
私は一番右端の一番高く積み上げられた飛び箱を飛んでいた。
多分、飛ぶ事が面白くて嬉々としていたと思う。
で、中学生の時、体育の時間に飛び箱をやることになった。
先ずは、3段。
飛べない。
あんなに得意だったのに、3段の飛び箱すら飛べなくなってしまったのだ。
なぜか?
それは恐怖心が芽生えたから。
失敗した時の悪いイメージが頭の中に浮かぶようになったのだ。
実際に失敗して痛い目に合った事はないのに。
もう昔のように思いっきり踏み込めなくなってしまった。
そこから先は恐怖心との戦いだったような気がする。
「怖くない、怖くない」と自分に自己暗示をかけるような感じ。
それでも、なかなか飛べなくて・・・あの時は本当に困ったなぁ・・・。
多分、恐怖心が芽生えるって事は、大人になった証拠だと思う。
思慮深くなったというか。
あらゆる最悪な事態を想定できるようになったというか。
だから、飛べなくなったのは残念な事だけど、失敗のイメージもなく飛び続ける事の方が本当は危ない事なんだろうなぁって思う。
なんでもそうだけど、人ってイケイケドンドンな時期があるような気がする。
上昇気流というか、上がる事しか想像できないというか。
飛ぶ鳥を落とす勢いといったりもするだろう。
梯子をすごい勢いで、上へ、上へと登っている時は案外怖くないものだ。
さて、自分はどのくらい登ったかな?とふと下を見た瞬間、あまりの高さに目がくらみ体が凍りつく。
そうなってしまったら、もう上る事も、下りる事もできなくなってしまって、梯子にしがみついてしまう。
そんな感じ。
人は時に、イケイケドンドンな人を褒め称えるものだ。
そして、自分自身も、その頃の自分が輝いているような気がするものだ。
でも、私は思うんだけど、その頃って実は単に「バカ」なだけなんじゃないかな~って。
思慮が浅いからこそ出来た事なんじゃないの?って。
本当の戦いって、恐怖を踏まえた上で、それでも、泣きながら、ビビリながら、あらゆる悪い事態を想定しつつ、それに対する防御を固めつつ、周囲の様子にも気を配りながら前に進む事なんじゃないかな~って思う。
周りから見てもちっとも格好良くないし、ヨタヨタと実に不様な様子で前に進んでいるように見えるかもしれない。
でも、本当はそれが一番カッコ良いと思う。
本当はそれが一番カッコ良いんだよ。
恐怖を知った時からが本当のスタートだと思うんだ、なんでもね。
初めまして。
高校時代、委員と名のつくものに片っ端から参加してた頃を思い出しました。確かに思慮が浅かった…(上へ上へ、とは違うけど)。
今もつっぱしっちゃうことはあるけど、立ち止まることも多くなって、
ああ、間違えたなぁってたしなめて、周りの顔色伺って。
そんなことの繰り返しです。
でも、そういう過程が大事なんだろうなって思ってたときに、
paranaさんの文が目に飛び込んできて、思わずnice!つけてました。
長文失礼しました。
by (2005-12-12 04:50)
えーと…初めまして。
以前から愛読させてもらってました。
勝手にブログに取り上げさせてもらいましたのでご挨拶に~。
ほんとすみません。
ほんとはー…隠れファン(ストーカーか!?)のままで居たかったんですが
さすがに陰で勝手に取り上げるのはまずいよな…
ってことでご挨拶に伺いました ≦(._.)≧
まずければすぐに削除しますので~
唐突&勝手で、もー何か色々とすみません(T_T)
by ます (2005-12-12 07:14)
飛び箱は全然飛べなかったし、どんなことに対しても
恐怖を感じる前に「ま、こんなもんだよ」って諦めてる自分。
いわゆる器用貧乏なタイプ。
私は、イケイケドンドンも本当のスタートもどちらも知らないのかも
と思って、かなり恥ずかしくなりましたよ^^;
by JOHN (2005-12-12 07:44)
ViolaMacです。
子供の時から体育が苦手でした。
跳び箱なんてとんでもない。最初から足はすくみっぱなしでした(;.;)
それも半世紀前の思い出です。
by Silvermac (2005-12-12 09:16)
この記事を読んで
今、考え込んでいることの答えが見えてきたような気がします。
私は、「恐怖を知ってしまった自分」が
なんだか小さくまとまりすぎてで好きになれずにいたところもあったようです。
でも、ほんとに、ここからがスタートなんですよね。
by (2005-12-12 09:30)
同じ事感じてました。
前はスノーボードを滑っていても全然恐くなくてナイターが大好きだったんですが、最近はスピードや斜面が見えない怖さを感じて、全く滑れなくなりました。運動機能に衰えを感じてるだけかな?と思ってましたが、そればかりじゃないですよね。怖さだけが先に立つのも考え物ですけどね。バランス良く考えなきゃいけないですね。
by (2005-12-12 16:46)
なんでも簡単にできてしまうスゴイ人もおるでしょうけど
我々凡人には大変だすなぁ。
by (2005-12-12 17:34)
恐怖、怖さ…本当に必要です。今、自分が居るのも
色々な怖さを体験して生きてきたからでしょう。
そして、子供を育てる上でも、怖さが必要であり、
そしてそれを乗り越える術を教えてあげるのが
まず、親なんでしょう。
私自体が恐怖に思われていたりして(ー_ー)!!
by マー (2005-12-13 22:13)
はじめまして。
夫が愛読しており、度々覗かせていただいております。
私は仕事ですかね。入社して2年目でトップセールスになって
病気して休職して一気にどん底を味わって。
それから仕事だけじゃなくって人のあたたかみを理解できる
人間になったっていうか。一皮むけたかな。
by (2005-12-15 12:46)
初めまして。
かっこよさって難しいですね。
実に不様な様子で前に進んでいるように見えたり、立ち止まっているように見えたりしても本当はそれが一番格好いいですね。
でも自分は見栄っ張りなんで他者からの目を気にして中身グタグタな人間になってしまいます(実際、他者から見てもグタグタかもしれませんが)。
by ゆう (2005-12-15 16:55)
ごぶさたしてました!
「恐怖心は大人の証拠」って、本当にその通りだと思います。
一方、どこかで「バカでいたい」っていう自分もいたりして・・・日に日に心が変わります。これぞ無常?
あいまいで答えのない世界ですけれど、移ろいゆくすべてを時に恐れ、時に楽しみながら過ごしたいですね☆
by 38-kaleidoscope (2005-12-16 23:13)