お布施ビンボー
私は友達が少ない。
いや、もう、本当に少ない。
で、そんな私の唯一の親友が、なぜか新興宗教めいたものに滅法弱いんです。
占いにも弱い。
なんでもかんでもすぐに信じちゃうのです。
彼女の最初の職業が飛び込み営業で子供用教材のセット(30万円也)を売る仕事だったからだろうか?
それが彼女と新興宗教っぽいもの出会いだった。
(新興宗教っぽいもの、という風に表現したのは、実際にどんな団体か知らないから)
なんだか成績の良い営業所で、その営業所の皆さんで頻繁に通っていたのが、新興宗教っぽい所で、まぁ、営業成績が上がりますようにって事で祈願とかしていたみたい。
そういうモノを全員で信じる営業所に入社したからだろうか、彼女もすぐに染まってしまった。
しかし彼女は元々人が好いので教材を無理に勧めたりできなかった。
もっと人が好い事に、売りに行ったご家庭で、反対に高級な補正下着を買わされたことすらあった・・・。
(お人好しにも程がある・・・)
つまり、彼女の営業成績はサッパリ・・・な状態だったのだ。
そんな状態なのに、彼女はその会社に5年も勤めた。(エライなぁ)
で、結局、5年間もドップリとあやしい宗教めいたものに浸かってしまったのだ。
その会社を辞めた後、その宗教とは縁が切れた。
だって、そこに通うと辞めた会社の皆さんとバッタリ会ってしまうだろうから。
そういうのは気まずかったのだろう。
じゃ~、それで済んだのかというとそうではなくて、別の新興宗教っぽいものに通うようになったのだ。
やはり、一度そういう状況を味わうと止められないのかもしれない。
彼女のアパートの玄関には小さなお皿があってそこには盛り塩がしてあった。
小さな白い石に筆でお経を書いたりもしていた。
(それはそれはすごい数の石だった。しかも1個100円だったかな?そんな感じ)
極寒の日に白装束を着て滝に打たれたりもしていた。
(なぜか風邪をひかないと本人は嬉しそうに言ってた)
「先生」と呼ばれる教祖から、西に引っ越せと言われればそうしてたし、東に引っ越せと言われればそうしていた。
(いや、詳細はよく分からないけど方角がどうのこうの、と言われて引越しをしてた)
とにかく「先生」と呼ばれる人の言う通りにしていたのだ。
そして彼女は「お布施貧乏」となった。
私はそれまで彼女に何も言わなかった。
だって、どんな宗教を信じても彼女は、彼女だ。
でも、お布施貧乏になるのは良くない事だと思った。
やはり心配である。
ある日、彼女に尋ねた。
「ねぇ、なんで「先生」の言う事を信じちゃうの?」
「だって、不幸になりたくないもん」
「不幸ってさ、避けるよりも迎え撃つ方が良いと思うよ?
不幸って誰だって嫌だけど、でもそれを乗り越えるから丈夫になるというか、
「あぁ、これを乗り越えたんだからココまでは耐えれるんだなぁ」って思うし。
そうやって段々丈夫になっていくんじゃないの?
ほら、病気になると抗体が出来るじゃん?そういう感じで」
「パラナは強いからそう事言うんだよ。普通の人は誰だって不幸は嫌だよ。
避けれるものなら避けたいって思うって」
「じゃ「先生」の言う事信じたら本当に避けれると思ってるの?」
「そうは思わないけど・・・でも、ほら、私事故ったじゃん?
あの時さ、フロントガラスに頭ぶつけて大きなコブが出来た程度で済んだじゃん?
あれね、後から先生に言ったら、
『なんだか嫌な予感がしたので、私が祈ったんです。
本当だったらあの事故であなたは死んでいたのです。
でも私が祈ったから死なずに済んだのです。』
って、「先生」が言ったの。「先生」のおかげで死なずに済んだんだよ」
「ちょっと待ってよ!それカンペキな「後だしジャンケン」じゃん!
そんなんだったら私にも言えるって!」
「後だしジャンケンなんて言わないでよ!」
イカン・・・。
彼女を怒らせてしまった・・・。
失敗、失敗・・・。
こういうのって本当に難しい。
彼女は自分のお金を自分の意志で払って「お布施貧乏」になっているのだから、そういうのって口出ししちゃいけないのかも。
でもさ、OLの給料って安いでしょ?
しかも一人暮らしをしてるから、それでなくとも貧乏なのに。
その上、何万円もお布施してたら破産しちゃうよね。
お布施が悪い事だとは思わないけど、貧乏なOLからなけなしの給料巻き上げる宗教も如何なものか?と。
神さまってそんなにお金が欲しいの?
んなワケないよねぇ・・・。
かみさまは、わたしのことを、ねっとあいどるにしてくれるでしょうか?
いっきゅうさんは、ぐらびああいどるを、この、てもとのざっしから、
おいだしてくれるでしょうか?
このおねがいをきいてくれたら、かみさまとか信じちゃうぞ!!
かみさま、決算大バーゲンとかしないかなー。
願い事のー!
【キャンペーン商品につき、お願いは、1人一個に限らせていただきます。また、他のキャンペーン商品との併用はできません。また、他のプレゼントに当選された方は、公正取引委員会の定めにより、当選できません。ご了承下さい。】
by (2006-04-01 05:06)
全身で寄りかかるものがないと生きていけない人生って、どんなでしょう。
自分の足で立って歩くことが一生のテーマの私には、多分想像もつかないんだと思います。
祐 http://plaza.rakuten.co.jp/nursylvania
by 祐 (2006-04-01 20:43)
「後出しジャンケン」…nice!
paranaさんのこういう表現にしびれちゃいます。
そんなことで信じてもらえるなら、私も「先生」になれちゃうかも知れません。
お金がほしいのは「人間」ですよね、間違いなく…うーん。
by JOHN (2006-04-01 22:27)
信仰に浸かる人は弱いのではなく、逆に強いんだと思います。
周りをはね返して自分を通す訳ですから。
弱い人間の私は、とてもそこまで神を信じられません。
それにしても、信仰にお金のにおいがして、引いてしまわないんでしょうかね。
お金だけでなく、勧誘もそうですよね。
信仰って個人個人の心の持ちようなのに、勧誘することないじゃん、って思います。
信者を増やそうとするところに、すでにお金のにおいが…。
by GEN11 (2006-04-02 11:26)
私の友人は、「ネットワーク販売」(マルチ商法)に
たびたび浸かってしまいます。
私は、
「以前イヤな思いをしたので(ウソですが)、
誘わないでね」と、
いつも言っているのですが、
性懲りもなく、毎度毎度、
「これはマルチじゃないんだってば!」と
勧めてくれます・・・・(爆)
ホントに儲かるんだったら、
みんなこっそり自分だけでやると思うんだけどな。
by kugna (2006-04-03 22:52)
かみさまの手下はお金を欲しがりますが、かみさまは無償の愛を求めます。
いずれにせよ高くつきますね。
by seita (2006-04-17 00:04)