先生
およそ教師という人種とは相性が悪い。
だからと言って、反抗するわけではない。
嫌う、とか、反抗する、という関わりすら面倒臭い。
なぜだろう?
きっと、自分の職業を決める時点で「教師になりたい」と思う人種と、自分とではかけ離れているからだと思う。
まぁ、結局「ダメな人間」が好きなんです。
自分もダメだから。
そういうぬるい、というか、ゆるい感じが好き。
そういう意味で、高校1年の時の担任は正直辛い存在だった。
新米でしかも数学教師。
これだけでピンと来る人はピンと来るだろう。
もうね、気持ちは分かるのだけど、カンベンして欲しかった。
生徒を放っておくという「間」が無かった。
生徒を管理しなければ、と力み過ぎていたのだ。
高校1年といえば、16歳ですよ。
管理なんかされなくても「やる人はやる」「やらない人はやらない」。
やらない人は放っておいたらいいんです。
どんな道を選んでもその人の人生なんだし。
しかし、新米教師というのは、私の深海魚のようにユラ~っとした態度が許せないんですよね。
「先生を馬鹿にしてるのか!」みたいな事をよく言われた。
「お前はね、先生方の間でも問題になってるんだぞ!授業中ボケ~っとしてポケットに手を突っ込んで窓の外ばかり見てるって!」
心外だなぁ、ボケ~っとしてるからといって何も考えてない訳ではない。
むしろ、真剣に考え事をしてる時に限ってボケ~っとした顔になるのだ。
授業とは全く関係ないテーマであっても、私の中では真剣なテーマだったりするし。
「嫉妬と焼きもちはどこが違うのか?」という事を延々と考えてたりしたなぁ、あの頃は。
その当時に出した結論は、
「嫉妬は自分の為にするもの。焼きもちは相手の為にするもの」だった。
嫉妬とは自分の見栄とかプライドを保つためにし、焼きもちは相手に対する媚び、というか、サービス精神みたいなものだと思ったから。
本当に授業とは関係ないな。
もっと勉強すればよかった。
そんな私が唯一なついた先生がいた。
その先生は国語の先生だった。
しかめッ面で、ギョロ目で、無愛想で、背も低く、小太りで、真っ黒に日焼けしてて、さしずめ「黒いクマプー」って感じ。
何でなついたんだろ?
教師特有の「押し付けがましい」所が無かったからかも。
先生から「あ~しろ、こ~しろ」みたいな事は一切言われなかった。
先生はいつも一人だった。
職員室に先生の机は無かった。
職員室から離れた校舎に先生の部屋はあった。
なぜだか知らないけど。
桜餅が好きな先生で、ある日桜餅を持っていった。
「はい」って渡すと、すごく戸惑っていた。
ありがとう、なんてセリフは無かったと思う。
でも、後日、「美味かった」と言ったような気がする。
「たけしくんハイ」という本を持っていった事もある。
「面白かったから先生も読んで」と言って渡したと思う。
とても迷惑そうな顔をされた。
後日、本を返してくれた時、
「たけしっちゅーのは悪い奴だな。友達の家を壊したりして」と言っていた。
私はニコニコと「うんうん。そうだねぇ」と言った。
先生は国語の先生ではあったが、野球部の顧問でもあった。
私は野球は全く興味がなかったので、先生が野球部の顧問である事はどーでもいい事だった。
そんな私もやがて高校を卒業した。
ある年、夏、帰省してた時、たまたま付けたテレビで高校野球をやっていた。
地区予選ってやつかな?
試合は既に終わっていて、選手達にテレビの人がインタビューしていた。
よく見ると、私の通った高校ではないか。
「うそ!甲子園?うそ!」
県立、普通科、進学校である。
野球の上手い子を集めた高校ではない。
もちろん、過去に甲子園に出場した事などない。
選手達がインタビューに答えていた。
その選手の一人が晴れやかな笑顔で、こう言った。
「監督を甲子園に連れて行ってやろうと思った!」
テレビカメラの隅っこで下を向いて苦笑いしている先生がそこにいた。
「連れて行ってやる」なんてすごい生意気なセリフだと思われるかもしれない。
でも、そういう事を言える間柄なんだなぁ、きっと。
その年の甲子園球場。
炎天下。
観覧席。
野球のルールすらおぼつかない女がそこに居た。
その女は叫んだ。
「すいませーん。焼きそばとカチ割り氷くださーーい!!」
応援しろよ。
いいですねぇ・・・。(笑)
by こにゃ (2006-10-27 08:42)
paranaちゃんはさ、味のわかる人間だから
味のある人に敏感に反応するよね。
応援はするように(笑
by sultane-0 (2006-10-27 09:41)
あ。漠然と先生になりたかったワタシが来ました(笑)
恵まれてたからそう思えたのかな?先生に……。
まあ先生たって別の人種じゃないですからねぇ。
新米だったら年も7つくらいしか離れてないし。
今、7つ違いなんてほとんど同世代感覚ですね(笑)
逆に先生こそがそーゆーことを自覚してなきゃダメですね。
by nal (2006-10-27 11:06)
>「監督を甲子園に連れて行ってやろうと思った!」
これ、聞き覚えがあります。読み覚え、だったかな?
私も高校の頃、「教師」という立場の人が嫌いだったです。やはり、高一の担任がきっかけで。
今考えると、理由ははっきりとはわからないのだけれど。私の場合は、多分「そういう年頃」だったのだと思います。
なついた先生はいなかったけど、進路に影響を与えてくれたのは同じく国語の先生でした。
(高2で現国、高3で古典を習う)
現在は、あの頃抱いていた「教師に対する嫌悪感」はないですけどね。子どもがお世話になっているもので(苦笑) ま、教師と言えどもホント様々だなぁ〜とは思います。
いつ読んでもparanaさんの文章は良いですねぇ☆ (もっと書いて〜〜〜!)
by ダージリン (2006-10-27 11:55)
甲子園のお話素敵です。
素直な気持ちで駆けつけること、そのものが一番な気がします。
私も花園へ駆けつけたことがありますが、テニス小僧だった私にはラグビーのルールなんてあやふやだし、わからないし、でも後輩達は応援したいし。行って何していいのか分からないけど、駆けつけたい。そういう時ありますよ。
by Nishi (2006-10-27 22:58)
その先生は野球部員たちからも慕われていたんですね.
嫌な先生も多いけれど,一人でも良い先生に巡り会えたのは幸せなことだと思います.
by 三ねんせい (2006-11-09 22:46)
先生って変わった方が多いですよね…気のせいではないと思う。
学校離れてから、先生という人たちを見ると、普通の社会人以上に
変わった考えの方が多いようにお見受けします。
ステキな人ももちろんいるけど、変わり度合いが何だか違う。何故?
でも、授業の上手下手じゃなくて、人として尊敬できる先生もいます。
きっと野球部の生徒達は、顧問の先生が大好きだったんでしょうね~
私が忘れられないのは、生徒の方を向いたまま黒板を書く物理の先生。
しかも、すっっっっごい達筆!!目が釘付けでした。
否応なしに授業に集中(笑)
by JOHN (2006-11-15 15:12)
>こにゃさんへ
どうもありがとう^^
>akiさんへ
おひさです^^
味のある人、大好き。
「友達沢山います」みたいな人は苦手(笑)
不器用な人が好きですねぇ。
>nalさんへ
>あ。漠然と先生になりたかったワタシが来ました(笑)
あはははは。
nalさんだったら良い先生になっただろうなぁ。
子育て上手は、愛情上手だと思うもん。
>ダージリンさんへ
更新遅くてスンマソン(笑)
もっとガンガリます(`・ω・´)
>にしださんへ
お。テニス小僧だったのですね。
私、最近テニスしてるんですよ^^
面白いですよね^^
>三ねんせいさんへ
>その先生は野球部員たちからも慕われていたんですね
そうだと思います^^
野球部員との仲のよさに嫉妬しました(笑)
スポーツの絆って良いですよね。
>JOHNさんへ
>先生って変わった方が多いですよね…気のせいではないと思う。
多い!
やっぱりね、社会経験が乏しいですからねぇ。
大卒をすぐに先生に採用するんじゃなくて、長年企業で働いた人を先生にすればいいのになぁ、って思います。
あと、沢山の子供を育てた肝っ玉母さん、とか。
手芸の上手いおばあちゃん、とか、野菜育てるのが上手いおじいちゃんとか。
雑多な人達に接して子供は大きくなる方が良いんじゃないかなと思う今日この頃。
by parana (2006-11-22 03:00)
ご無沙汰です。お元気でしたか?
私は幸い、よい先生方に恵まれて、
同級生、教師になった子が多いです。
でも、現在の職員室、すご〜く荒れてるそうです。
やる気まんまん夢にあふれた新米教師は、
鬼姑も真っ青のいびり(イジメ)に遭って、
うつ病→休職→退職ですって。
子供のイジメがなくなるわけないです。
by kugna (2006-11-25 15:12)
おそうじをがんばったら、
おだんごを買ってくれる
先生がいました。
至福の高校時代。
楽しかったスナァ。
by doremi (2007-03-13 06:32)