甘え袋
今、振り返っても、私は父によく可愛がってもらったなぁ、と思う。
可愛がってもらったと言っても、あんまり物を買ってもらった記憶はない。
いや、それなりに買ってもらったのだろうけど、印象が薄い。
印象に残っているのは物ではなく、言葉だ。
例えば、テレビでニュースを見ている時に、若いお嬢さんが殺されたというニュースを見ると、
「お父さんね、もしもパラナちゃんが殺されたら、お父さんも死んじゃうなぁ、パラナちゃんが死んでお父さんが生きてたってちっとも面白くないもん」
などと言ったり、
「こんな酷い事しても死刑になんないんだねぇ。でもいいや、お父さんだったら、この手で犯人殺しちゃうもん。それで刑務所入っても全然後悔しないし」
などと言うのだ。
私はただ「ふ~~~ん」と気の無い返事しかしなかった。
だって、正直鬱陶しいでしょ?
「またいつものセリフだよ」くらいしか思わないし。
でも、こういうのって後からジワジワくるんですよ。
親が死ぬと親の事思い出すでしょ?
そういう時に、なぜか、こういうセリフを思い出しちゃうんですよね。
聞いてないような素振りをしていても、やっぱりしっかり聞いてるんですよね、娘って。
思春期の娘とか、年頃の娘とか、そういう難しい年頃の娘を持つお父さん族って大変だろうなぁって思う。
何を話し掛けても「鬱陶しいなぁ」って態度取られちゃうし。
そんな娘の態度に腹が立つ事もあるかもしれない。
でも、聞いてないようで、聞いてるわけです、娘は。
娘って、年頃になると父親に甘えるのも気持ち悪いし、甘え下手になると思う。
でもそういう父親の鬱陶しいセリフの一つ一つを「ふ~~ん」と聞き流すフリをするのも父親に対する「甘え」の変形バージョンなんじゃないかなぁって思う。
つまり、無視という態度の甘えというか。
実は、最近、「甘え袋」ってのがあるんじゃないかなぁって思うんですよ。
親に甘える度にその袋の中に何かが溜まっていくようなイメージ。
それがパンパンに満タンになると大人になれるというか。
でね、親に甘え足りてない人って結構いるよなぁ、って。
そういう人はどこか優しくないんですよ。
他人に対して優しくない。
もちろん、自分の親に対しても優しくない。
でも、「かまって!」というオーラはすごい。
私はこれを「ネガティブカマッテちゃん」と心の中で命名してるんですけども。
人に意地悪を言ったり、傷付くような事を言って注目を引こうとするタイプは大抵が「ネガティブカマッテちゃん」なわけで、そういう人は親に甘え足りてないんじゃないかなぁっていう気がね、最近するんです。
親に甘える事が下手な子供って沢山いると思うけど、親はそれでも、見捨てる事なく、子供が聞いてないフリをしていても、「大切に思ってるから」っていう言葉を発信し続ける事が必要なのかもしれないなぁ。
そして、いつか「甘え袋」が満タンになったときに、きっとその子供は大人の分別ってのを身につけるのではなかろうか。
物を買い与える事で甘えを満たしてあげるのはダメだと思う。
父親族がよく陥る罠なんですけども。
「パパありがとう♪」って笑顔に騙されやすいというか。
でも、これを頻繁にやっちゃうと、子供が「乞食」になってしまうんですよね。
あれ?乞食って言葉OKだっけ?
禁止用語?
ま、いっか。
甘えれば何かを買ってもらえる、もしくは、買って欲しい物があるから甘える、っていう行動を習慣化させちゃうと、愛情を物で計るようになっちゃうから。
これはね、「乞食」ですよ。
欲しい物は自ら労働して稼いで買う、ってのが真っ当な道ですからね。
子供を乞食にしてはイカン。
あくまでも言葉が良いと思う。
なんてったって、言葉はタダですよ!タダ!
スマイル0円なんてメニューのあるハンバーガー屋もあるけども、言葉だって0円です。
かなーりお得。(笑)
親が子を、子が親を殺す時代です。尊属殺人罪を復活すべきです。
by Silvermac (2006-05-07 07:19)
初めまして。コメントを書き込むのはこれがはじめてだったりします(^^;
かなり前から拝見させてはいただいていたのですが。
私も二人の子供を持つ親です。
まだ小さいので無視される、という事はないですが。
男の子なので、将来は口をきかなくなるのだろうなぁ、と思いながら成長を見ています。
それでも、パラナさんのお父さんのように、甘え袋を満たしてあげられる親になりたいな、と思いました。
いつものように読んで去ろうかと思ったのですが、書き込みがしたくなったので書き込みさせていただきました。
これからも楽しみにしています^^
by Ren (2006-05-07 08:55)
甘え足りていない人。。。わかる気がします。
子供と過ごす時間が少なくなって、はじめはモノを買ってあげてました。
でも何だか違う気がして、最近は「いっしょ」という視点で
限りある時間を使うようにしています。。。おひさコメントでした。。
by ブタゴリラ (2006-05-07 10:05)
わが子も、小さいながら親の言っていること、姿を、
見聞きしていないようで、意外や、やっているもんだなと思う時がありますし、
ちゃんと向き合えば、結果身に付いていくものだと思う。
甘えを満たすために、すぐ物を絡め、ただあげると言うのは
乞食になるために育てるもんだと思います。
「甘え袋」っていいですね、そして甘えポイントがたまると、
たまに「挫折菌」に侵されたりして^_^;
「甘え袋」は小さく強くなっちゃうんでしょうか。
きっと親には「甘えさせ袋」があって、お互いの袋がいいバランスで
満たされたとき、親離れ、子離れが出来るんでしょうね。
by マー (2006-05-07 10:43)
こんにちは。
激しく頷いています。うんうん(。。)(゜゜)
私も思い当たる・・・
父や祖父母には凄く可愛がってもらったけど、
どうも母にはなつけなかったっていうか、
顔色ばかり見ていたような気がして。
今、母に優しくしてあげられなくて・・・
互いにオトナになり切れていない気がします。
by kugna (2006-05-07 16:07)
同感です。
親が子どもを「甘やかす」のと,事もが親に「甘える」のって違うことなのに,親の中にはそれを混同している人が多くいると感じます。
精神が発達していく中で,きちんと甘えられたかどうかって,とても大事なことなんだと感じています。
by 素人写真 (2006-05-07 16:21)
はい、ネガティブカマッテちゃんです。
愛された、という感覚はあるのに、
「こうしてほしかった」「ああしてほしかった」ばっかり多くて。
人に優しくするのと、ただ面倒が起こらないように接することが
自分の中で一緒になっているような気がして、
そういう私も、親に甘え足りてなかったのかもなぁ、と思いました。
by ryono (2006-05-08 01:07)
甘え袋・・・うまく言い表してますね。
私も袋がいっぱいにならなかったクチです。
袋の中身も、ほとんどが「反抗」という甘えでした。
(というか、父があまりに子どもで(笑)、甘える気が削がれたのも大きい)
by midori (2006-05-08 09:44)
凄く納得しました。
そうそう!って。
わたしもネガティブカマッテチャンだな・・・
って思いました(笑
私も、ryonoさんのコメントそのものです。
うちは「アンタさえいなかったらよかったのに・・・」って育てられました。
ネガティブカマッテチャンは彼らなりに、とっても苦労していると思います。
なんで普通にできないんだろうとか。
なんで優しくできないんだろうとか。
したいのに、『次はしよう』って思うのに、できない。
私だって。ほんとはおかんに優しくしたいんです。
by チサト (2006-05-09 11:49)
ちょっと今日のは胸に響きすぎて、苦しいくらいです。
私の「甘え袋」はいっぱいになっているのかなぁ…
by JOHN (2006-05-12 08:02)
なるほど、のお話でした。
nice!だけ押していこうかと思いましたが、足跡残しますね。
甘えること、甘やかすことの違いをよく見極めてやっていきたいです。
by かこ♪ (2006-06-05 19:06)
初めまして!
実はオイラ父子家庭爆走中の親父ですww
まだ、チビ達は小さいのですが、下の子が女の子なので、これからどう接して良いか考えていた所です。
とても参考になりました。
「言葉」の重要性を改めて感じました!
ありがとう。
by アール (2006-06-09 03:53)