ピカピカ

最近、ふと自分の手を見ると、父とソックリになってきたなぁって。

女性としては喜ばしくないけれど、優しかった父の手を思い出して、ついつい眺めてしまう。

遺伝って本当におもしろい。

どうやら、記憶も遺伝するみたいですね。


うちの犬なんですけどね。

アジリティっていう競技に参加してるんです。

棒を跳んだり、ジグザグしたり、いわゆる障害物競争ですね。

で、うちの犬の両親犬もアジリティしてるんです。

普通、棒を跳んだり、細い板の上を走ったりって怖がるんですよ。

でも、初めから、スイスイできちゃう。

犬の学校の先生曰く、記憶も遺伝するみたい、とのこと。

犬の例で申し訳ないけど、人間もそうかもしれないな、と思って。

ほら、モーツアルトのお父さんも音楽家ですしね。

うちの犬とモーツアルトを比べるって・・・。

いや、しかし、遺伝って面白いなって。


しかしですよ、遺伝は万能ではないんですよ。

どうも「徳」は遺伝しないっぽい。


うちの父は本当にすごい人だった。

祖父が寝たきりになった時、毎週末、父は、祖父の家に行っていた。

車で片道２時間ですよ。

しかも、山道。

それなのに、父は、到着して、すぐにバケツにお湯を汲むんです。

たまに、私が帰省した時に、私も手伝おうかなぁ、と思って動くと、

「paranaちゃんはいいから」と言って、私の目の前でピシャリとふすまが閉められた。

父は、タオルをお湯につけ、固くしぼってから、祖父の体を全身くまなく拭いていた。

その頃、父はすでに肝臓を悪くしていたので、顔色がとても悪かった。

介護をしてもらう祖父の方がツヤツヤした顔色だったので、親戚からは、

「どっちが病人だか分からない」と笑われたりしていた。

私は、この年になっても、父の足元にすら及ばない。

徳の部分って遺伝しないのね。


私の母なんですけどね、本当に、考えの浅い人なんです。

自分のことしか考えていない人なんです。

で、その母の両親なんですけどね、つまり母方の祖父と祖母。

私が生まれた時には既に亡くなってたんです。

どうも、母が若い時に亡くなったみたい。

だから、一度も会ったことない。

母も祖父母の話は一切しないので、どんな人かも分からなかった。

で、一度だけ、母が自分の両親の話をしたんです。

母の両親は、放浪の旅人っていうんですか、つまり、乞食ですね。

そういう人を見かけては、家に招いて、お風呂に入れて、食事をあげて、衣服も洗ってあげてた人だったみたい。

それを母から聞いたときは「うそーーー！！！！」と本当に驚いた。

母の実家の玄関には版画が飾ってあった。

その版画も、母の両親がお世話をした人で、後に有名な版画家になった人がお礼にくれたものだった。

いつも、「変わった版画だなぁ」と思っていた版画にそんなエピソードが！

そんなすごい人達から、母のような人が育つってことが信じられなかった。

しかも、母は、そんな両親を尊敬していない、していないどころか、

「うちも貧乏だったのに、余計なことをしていた人」なのだ・・・・。

徳って・・・・遺伝しないのね・・・・。

まさか！母の徳の無さが、私に？？？

それは、嫌すぎるので、やっぱり、徳は遺伝しないことにしときます。

記憶は遺伝しても、徳は遺伝しない。

はい。



徳って不思議ですねぇ。

遺伝じゃなければ、一体、何？

どっから来るの？

先天的なものならば、遺伝。

後天的なものならば、育ち。

育ち、は関係ない。

徳のある人に育てられても、この結果ですし。

でも、遺伝でもない。


これこそ、魂、なのかもしれない。

どこからともなく、ピョンって、入ってくるもの。

おそらく、丸くて、ピカピカしている、玉です。

あ、ピカピカしてるのは、徳が高いバージョンで、ふつうの人は、そこまでピカピカしていないかも。

だから、ふつうの人は、磨かなくちゃいけないんでしょうねぇ。

どうやって磨くのか分からないけども。


私の心の中に、神楽を楽しむ神様がいる、と前に書きましたが、おそらく、ソレ。

残念ながら、私の中にいるのは、ふつうの神様。

あたり、はずれ、でいえば、はずれ。

神様をはずれとか言うって・・・。

いや、でも、はずれ、だし。

八百万もいますからね、あたりもはずれもありますよ。


はずれだけど、結構、仲良しだと思う。

どうやってピカピカに磨くか分からないけども、仲良くやれたらそれでいい。


そういえば、うちの猫神様。

トラネコの方は体重が７．６キロもあるんです。

で、コーヒーが好きで、マクドナルドが好きで、パンと、ホイップクリームも好き。

なんだか、アメリカ人みたい。

兄妹猫のクロネコの方は、全然そういうの食べない。

猫でもこんなに違う。


魂ってほんと不思議。

魂っていうか、前世かなぁ。

ここらへんは難しいですねぇ。

英語で話かけてみようかしらん。

コメント 4

三つ子の魂　百まで。

とはよく言った物で、育ち、生まれ、と持って産まれた物。
それらのミックスで、自分らは出来てますよね。。
意外に、オトナになってないよねぇ、、と思うのもソコで。。

でも、ソレが真実なのかも、
オトナになるのは、自然と、勝手に、じゃない、自分でなるんだ。。

そうおもうと、特、にいくか、得、に行くか、徳にいくか、、
やっぱり自分次第なんでしょうね。


それにしても、、ここにコメントすると、
自分が上等なヒトになった気がする不思議。。
自分とこじゃ、くだらない事ばかりかいてるのにねw
by アキオ (2013-11-24 20:10) 

>アキオさんへ

特、得、徳、、、ふふふ。
上手いこと言いますねぇ（＾＾）

最近、思うんですけど、自分に起こることは皆自分が招いているような気がするんです。
良いことも、悪いことも。
自分で取捨選択した結果が現在なのかも、と。

徳、を考えると、なかなか、本当に難しい。
どうしても、自分の安全圏を守ってしまう。
自分をポーーーンって捨てれたらいいのに、と。

すごく簡単に自分を捨てることができる人がいるけど、
本当にスゴイと思います。
徳がある人ほど、自分を簡単に捨てれちゃう。
憧れるけど、憧れで終わっちゃいそう。
私もオトナになりたーい。

え？ここにコメントすると上等になった気がするんですか？
ふふふふふ。
それはですね、すごくすごく脳をゆさぶるからですよ。
ユッサ、ユッサです(笑)

いつもコメントありがとうございます。
励みになります（＾＾）
by parana (2013-11-24 23:42) 

徳・・徳かぁ～・・

遺伝？というか見る機会が多いほど受け継ぐといったものになるんでしょうかね。でもやっぱり、反面教師的なものになってしまいやすいのかも。
ウチは父方はよく分かんない。
あ！待てよ、母が「あの人は、あの家で育ったんだし・」とか言ってたしなぁ(笑)人徳というかそういうのもやはり家庭文化でしょうかね。

母方の親、私にとっては祖父母、他界していますがね。
祖父は戦争にも行ったし帰ってきても苦労したのですが、旅の人が良く立ち寄る家になっていて、貧しいけれど、ある意味賑やかな家だったらしく、
乞食も良く居たのは私が幼少の時の記憶にある。
母はそういう人になろうとしている訳ではないけど、子から見ても、
結構他人に可愛がられているなって思う。

この記事でフム！と考えてみると、
祖父母も、母も「こうあるべき！」と教えられた訳でもなく、
意識する事もせず備えているのだから、
素直に自分を信じて進むのが結果「徳の大小」になるのかな～
っていうかね、
「徳とはなんぞや？」とフッと考え、わかんねぇ～って笑える人が、
得られるんじゃないかな(^^ゞ

神・・うん・・・八百万もいるしさ、
「じゃぁオレが神になるわ！いいじゃんそんなに居るならもう変わんないっしょ？」ってなりそう(笑)

猫神様、これが難しいねぇ～予測不能(^^♪
人たらしは見習いたい、
自然にやってのける人たらしこそが「人徳」か？(~_~;)

いつも考えさせられるネタをありがとうございます。

by マー (2013-11-26 23:07) 

＞マーさんへ

おおおおお！
マーさんの母方の祖父母さんもそのような方だったのですねっ！
あ～～～～、昔の日本人は慈悲深かったのでしょうかねぇ。
これは考えさせられますねぇ。
今は何でも自己責任ですからね。
生活保護という福祉が発達して、社会システムは良くなったけど、
人情を奪ったかもしれないですね。

マーさんのお母様も素敵な方みたいで良かったです。
私の母はどうも利己的で・・・、にんとも、かんとも、です。

徳の本質は優しさだと思うんです。
他者に対する優しさ。
自己犠牲という言葉がありますが、徳の高い人は「犠牲」という意識すらなく、
さらっ～～～～っとすごい事ができちゃう。
そういう人が時々いるわけで。
憧れますねぇ。

猫はね、究極の存在ですよ。
老子の教えが全部詰まってます。
本当にすごい。

私のブログは本当にコメントが入れ辛い内容だと思います。
だから、コメントが入るととても嬉しい。
どうもありがとうございます。

by parana (2013-11-30 11:32)