ある夫婦の会話(4) [ある夫婦の会話]
※これはあくまでもフィクションです。
妻「はぁ・・・」
夫「どうしたの?」
妻「ハローワークインターネットサービスで求人を見ていたのだけれど・・・」
夫「この頃熱心だねぇ」
妻「昔は『未経験者歓迎』っていうのも結構あったけど、今じゃ『実務経験3年以上』と
か『経験者優遇』っていうのばっかりね・・・」
夫「まぁ、今は即戦力を欲しがる時代だからね」
妻「それじゃぁ、新しい分野に挑戦できないじゃないの!私は一体どうすりゃいいの?」
夫「君も経験を生かした仕事を見つければいいんだよ」
妻「私の経験?」
夫「そう。君、15年も勤めていたんだろ?」
妻「えぇ、まぁ・・・」
夫「15年も同じ会社に勤めたら立派なもんだよ。どんな仕事をしてたの?」
妻「え?えーっと・・・主に・・・お茶をすすりながら・・・窓の外を眺めていたの」
夫「えぇ!!それだけ?」
妻「他にも・・・何かしていたような気がするんだけど・・・イタタタタッ!
思い出そうとすると・・・頭が・・・痛い・・・」
夫「・・・・・」
妻「あっ!思い出してきた!CD-ROM・・・」
夫「CD-ROM?」
妻「目にチカチカって・・・眩しくて・・・窓の外を見ると・・・向かいのマンションの
ベランダにCD-ROMがぶら下がっていたの。何枚も、ズラーっと」
夫「え?」
妻「私はすぐにピンと来たわ!あれはハト除けよ!間違いないわ!近所に大きな公園があ
って、あの辺はハトが沢山来るのよ!」
夫「一体、何の話をしてるんだい?」
妻「それから数ヶ月経ったある日、いつものようにお茶をすすっていたら、周りが騒が
しくて・・・、『どうしたの?』って聞いたら、なんだか大切なCD-ROMが紛失した
らしくて、『知りませんか?』って聞かれたけど、
『そんな大切なCD-ROMは知らないけど、大切じゃないCD-ROMなら会社のベランダ
に・・・』って・・・・、
そう言った途端、弾かれたように数人がベランダに飛び出して・・・」
夫「まさかっ!!」
妻「数分後に彼らが戻って来た時には、手に紐をぶら下げていたわ・・・」
夫「その紐の先には・・・」
妻「そう。CD-ROMよ」
夫「大切なCD-ROMを君は・・・」
妻「フフフ・・・全く・・・有り得ない話よねぇ・・・」
夫「有り得ないのは君だよっ!!」
妻「なにしろ数ヶ月風雨にさらされたCD-ROMだから、当然砂埃にまみれていて、おまけ
に風に煽られた時についたであろう無数の傷が・・・」
夫「絶望的状況だね・・・」
妻「どんな時も希望は捨てちゃいけないわ!それから、給湯室にいって、砂埃を慎重に
そ~っと落として、自然乾燥で乾かして・・・」
夫「うんうん」
妻「そのCD-ROMを読み込む瞬間は誰もが緊張したわ。シュルル~って乾いた音がして・
・・」
夫「うんうん!」
妻「奇跡よ!!そのCD-ROMが読み込めたのよ!!もう拍手喝采よ!!でも冷静な社員
が『早く!早くコピーを!』ってすぐにコピーをしたの。コピーしている最中は誰も
が画面のインジケーターを食い入るように見つめていたわ!」
夫「それで?それで?」
妻「コピーは無事に終わったわ。もう皆ホっとして脱力状態になって・・・」
夫「で?君は?」
妻「ええ、その様子をお茶をすすりながら眺めていたわ」
夫「・・・・・」
妻「なに?」
夫「いや・・・皆から怒られなかった?」
妻「いいえ。『また伝説を作りましたね』って・・・」
夫「・・・・・」
妻「なによ?」
夫「・・・・・」
妻「どうしたの?」
夫「ところで、君は・・・一体、どんな仕事をしていたの・・・?」
妻「イタタタタッ!あ・・・頭が・・・・」
※あくまでもフィクションです。
PS:社員の皆様、その節は本当にご迷惑を・・・
補足:CD-ROMをぶら下げてもハトは来ました。あんまり効果はないです。
Good Job!!
伝説を作り続ける事は素晴らしい事ですよ。
負けてはいられませんね。
うんうん
by あちち (2005-11-22 08:04)
パラナさん…パラナさん…パラナさぁぁ~ん!!
なんだろう…笑う話かな?笑っていいのかな?(^▽^;
by (2005-11-22 08:45)
♪伝説の女~~~ですね。
他にもいっぱいありそうですね。この妻! =^∇^*=
by (2005-11-22 09:21)
うはははは、お、おなかいたい・・・・。
朝から大笑い。いい一日になりそうよ~。
by (2005-11-22 10:47)
おっかしい〜〜(@_@)
おもしろくて笑っていたら、、、
息子にどうしたの?と言われてしまいした。。(^_^;)
CD-ROMが復活してよかったですね〜〜〜〜
さすが!paranaパパさんの娘さんだ、、、、いえ、何となく。。。
by (2005-11-22 13:24)
早く、新しい会社で伝説を作ってください(笑)
by churin (2005-11-22 13:40)
優しい社長がいたあの会社よね?
うん、たぶん、絶対辞めて欲しくなかったんだよ、paranaちゃんに。
うぷぷぷ。。w
by sultane-0 (2005-11-22 15:18)
あの…。上の方々のコメント読んでいて思うんですけど…。
↓これ、もういらないんじゃ…。(汗
>※これはあくまでもフィクションです。
いや、きっと枕詞のようなもので…。
必要なのですよね…。
きっと…。
心中お察しします…。
by (2005-11-22 19:30)
はじめまして!
かなり前から読み逃げしていましたが 今日はそうはいきません(笑)
てっきり全てフィクションかと思いましたが
CD‐ROM事件?は実話なんですね!
うんうん もはや リビングレジェンドですよ!!
お友達になりたいで~す!(笑)
by 永春 (2005-11-22 21:03)
どこまで話が転がるか待ってましたが、ダメだ・・(大笑)
ぜひとも伝説の序章となったであろう、頭痛に逃げるお仕事の話をぜひとも思い出してくださいな(^^)/。
by ぽん太 (2005-11-22 23:45)
うわぁ!
今回ばかりはフィクションであって欲しかったぁ・・・。
え?フィクション?
うそーんっ!?
by on_your_mark (2005-11-23 00:39)
paranaさん、勘弁してください。
突然、笑い転げる私をアキが心配しますので・・・
by マー (2005-11-23 22:31)
パラナさん…すごすぎですよ。
誰もが怒らずに、「伝説を作った」として受け入れられるなんて、お人柄ですね。。
すばらしいです。なんだか一段下がって拝みたい気分です…。
パンパン。。。っと。
by (2005-11-24 10:52)
面白かった。
このシリーズ、けっこうくせになってきた(笑)。
by (2005-11-24 16:47)
久々におじゃましたら、傾向が変わっていてビックリ!
でも面白すぎますよ、paranaさんっ☆
「未経験者歓迎」は酷なフレーズですよね。ちなみに私は、歌い文句と実情の違いを知ったとき、面接官に向かって「広告の虚偽記載じゃないですか!」と主張したことがあります(結果、なぜか採用されましたけど断りました)。
by 38-kaleidoscope (2005-11-28 02:00)